本書では、政権と村落秩序の両面から、中華人民共和国初期の農村社会を再検討する。中国共産党はどのようにして基層社会における政権を確立していったのか。中国の「村」はどのようにして現在の「村」となったのか。「村」の相対化を通じて、中華人民共和国初期の政策が農村社会に与えた影響を分析するとともに、当時の基層社会の在り方を明らかにする。
もくじ情報：現代中国の農村をどう見るか；第１部　華北地域・河北省の村と共産党（華北・河北省の村；成人教育・共産党機関紙の普及と展開；成人教育・共産党機関紙の効果と実態）；第２部　人民共和国初期における村の変容（土地改革による村落の変容；互助組・初級合作社時期の社会の組織化（一）；互助組・初級合作社時期の社会の組織化（二）；高級社の成立と瓦解）；終章　一九五〇年代華北における村と共産党

河野　正(コウノ　タダシ)
国士舘大学２１世紀アジア学部講師。１９８２年生まれ。２００６年、東京都立大学人文学部卒業。２００８年、東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。２０１６年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士（文学）。日本学術振興会特別研究員（ＰＤ）、東京大学社会科学研究所助教、東京大学アジア研究図書館助教を経て２０２３年より現職（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）