リンゼイの著作は地味であるが、最も根源的な真理をふまえた上で、現実の問題に対処する姿勢が絶えずある。リンゼイの土台に健全なキリスト教信仰があり、それは常に「途方にくれても行きづまらない」希望があることを示している。この書物に収められた三つの著作はいずれも大部ではないが深い味わいがある。
もくじ情報：わたしはデモクラシーを信じる（わたしはデモクラシーを信じる；ひとりのデモクラットの信仰；デモクラシーに対する現代の挑戦；デモクラシーにおけるリーダーシップ；危機におけるデモクラシー；デモクラシーと社会保障；平和と戦争におけるデクモラシー）；キリスト教的個人主義と科学的個人主義；トレレーションとデモク…（続く）

永岡　薫(ナガオカ　カオル)
１９２２年生。早稲田大学政治経済学部卒業。現在、聖学院大学大学院教授、滋賀大学名誉教授、経済学博士（京都大学）。著書に「デモクラシーへの細い道」（’８４年）「イギリス革命」（共著、’５８年）「イギリス・デモクラシーの擁護者Ａ．Ｄ．リンゼイ」（共著，’９７年）「マックス・ヴェーバーと日本」（共著）、訳書に「民主主義の本質」（増補版，’９２年）他