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出版社名:新泉社
出版年月:2022年8月
ISBN:978-4-7877-2204-1
453P 19cm
フィンランド虚像の森
アンッシ・ヨキランタ/著 ペッカ・ユンッティ/著 アンナ・ルオホネン/著 イェンニ・ライナ/著 田中淳夫/監訳 上山美保子/訳
組合員価格 税込 3,168
(通常価格 税込 3,520円)
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内容紹介・もくじなど
内容紹介:森と湖の国・フィンランドは世界有数の林業国家。日本からもフィンランド林業に憧れて留学する人が後を絶たない。フィンランドで林業を語る際、林業関係者、行政担当者、一般市民までもがよく口にするフレーズがある。それは、「フィンランドでは、1年間に樹木が成長する量を計算し、その成長量を超える伐採はしないよう厳格に規定されているので、森林資源が枯渇することはない」。だから持続可能な林業を推進していると言われるのだが、その実態は、無謀な排水事業による植林とその後の皆伐、そして一斉造林を繰り返す大規模な林業である。実は、この森林施業が機能しているのは南フィンランドだけで、北部のラップランドでは、皆伐…(続く
内容紹介:森と湖の国・フィンランドは世界有数の林業国家。日本からもフィンランド林業に憧れて留学する人が後を絶たない。フィンランドで林業を語る際、林業関係者、行政担当者、一般市民までもがよく口にするフレーズがある。それは、「フィンランドでは、1年間に樹木が成長する量を計算し、その成長量を超える伐採はしないよう厳格に規定されているので、森林資源が枯渇することはない」。だから持続可能な林業を推進していると言われるのだが、その実態は、無謀な排水事業による植林とその後の皆伐、そして一斉造林を繰り返す大規模な林業である。実は、この森林施業が機能しているのは南フィンランドだけで、北部のラップランドでは、皆伐後、一斉造林をして四半世紀が経つにもかかわらず、木が全く生えてこない荒れ地がひろがる。本書はそんなフィンランドの森と林業の実態について告発した本である。確かに本書に掲載された写真からは、森と湖の美しいフィンランドは実感できない。荒れ地に数本だけ立つ細いアカマツや湖に流れ込んだ泥炭、100ヘクタールを超える皆伐地など、絶望的な森の姿ばかりである。また本書では、皆伐と一斉造林を繰り返すフィンランド林業の形が生まれたのは、ロシア(ソ連)との冬戦争に負けたためだと説明されている。つまり賠償金を支払うために、森の木を伐ってお金にしたというのだ。ところが近年、こうした大規模なフィンランド林業の在り方に疑問を持つ人々が出てきた。本書を執筆したジャーナリストも疑問を持つ者たちである。彼らは、森林学の研究家、林業家、森林所有者、環境問題の活動家、ハンター、ラップランドの原住民であるサーミの人びとなど、森に関わる多くの人たちにインタビューして、フィンランドの森の現状を世に知らしめようと試みたのである。2019年5月の発売後、ノンフィクションとしてはフィンランドでは異例の売れ行きで重版となった本書は、2019年のフィンランディア文学賞ノンフィクション部門を受賞した。まさに、フィンランドの不都合な森と林業の真実について告発した一冊である。
森と湖の国の暗翳を暴く!絶望の林業の始まりは、ロシアとの冬戦争だった…
もくじ情報:1 これがかつてのフィンランドの森(昔々の森のおはなし―私たちが失った森のこと;トゥルクの町よりも古いマツ―現存している古木の中で最長寿の木は、コロンブスが新大陸を発見した頃に芽吹いている ほか);2 痕跡(伝承街道―消滅の危機にある、民族叙事詩カレワラをフィンランドへと伝えた中世から続く街道;向かう先は、次なる伐採―オリエンティア、ミンナ・カウッピ、瀕死の苔むした森に途方に暮れる ほか);3 新旧交代(バイオレメディエーション 生物学的環境修復―製紙(パルプ)業界が多くの人を惹きつけるバイオエコノミーへ変貌した道のり;計算せよ、信ずるな―研究者サンポ・ソイマカッリオにとって、気候変動における森の役割は自然科学の現実であって、私見を求めるものではない ほか);4 選択のとき(未来への遺産―いかにして森の捕食者クズリが森の守護神になったのか、いかにしてこの森を次の世代も享受できる森にしようと多くの人が考えているのか;森林売買という名の森林破壊―森を森として維持した方が皆伐を繰り返すよりも生産性が高いことがわかっているにもかかわらず、なぜ、沈黙しているのか ほか)
著者プロフィール
田中 淳夫(タナカ アツオ)
1959年大阪生まれ。静岡大学農学部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている
田中 淳夫(タナカ アツオ)
1959年大阪生まれ。静岡大学農学部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている