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出版社名:講談社
出版年月:2024年3月
ISBN:978-4-06-535234-2
359P 19cm
ポスト戦後日本の知的状況/講談社選書メチエ 798
木庭顕/著
組合員価格 税込 2,299
(通常価格 税込 2,420円)
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内容紹介・もくじなど
内容紹介:本書は、前著『クリティック再建のために』(講談社選書メチエ)の「姉妹篇」であるとともに「日本篇」と言えるものです。「クリティック」とは何か?--その問いに答える前著は、他方で現代日本におけるクリティックの不在という事実を突きつけてきました。本書は、その点にフォーカスを定め、「現代の日本において何故クリティックが定着しないのか」という問題を集中的に扱います。ここで分析される対象は、「知的階層の言語行為」すべてです。それを分析することは、必然的に「知的階層の(欠落を含めた)あり方」をも扱うことになります。つまり、「知的階層を構成すべき人々の言語行為全体」が問題とされ、その結果、「狭い意味…(続く
内容紹介:本書は、前著『クリティック再建のために』(講談社選書メチエ)の「姉妹篇」であるとともに「日本篇」と言えるものです。「クリティック」とは何か?--その問いに答える前著は、他方で現代日本におけるクリティックの不在という事実を突きつけてきました。本書は、その点にフォーカスを定め、「現代の日本において何故クリティックが定着しないのか」という問題を集中的に扱います。ここで分析される対象は、「知的階層の言語行為」すべてです。それを分析することは、必然的に「知的階層の(欠落を含めた)あり方」をも扱うことになります。つまり、「知的階層を構成すべき人々の言語行為全体」が問題とされ、その結果、「狭い意味の学術」の世界の外で形成された言論も取り上げられることになります。本書の「結」で、著者はこう言います。「戦後期に課題として発見された地中深くの問題を解明しそのメカニズムを解体する方途を探るためのクリティックの構築が挫折し、そしてその結果今ではこの課題に立ち向かうための条件、つまり立ち向かう資質を潜在的に有する階層ないしこれを育てる環境それ自体、もまた失われてしまった」。この「失敗」は著者自身も当事者の一人にほかなりません。それゆえ、著者はこう言うのです。「なるほど私はバトンを受け取り先へ渡すことには失敗した。ブレイク・スルーを担う極小の一点へ、私の仕事が結び付くものではない。しかし、責任の中には必ず、失敗について報告し申し送る、とりわけ、何故失敗に終わったか、失敗の結果どういう状況が後へ残っているのか、について考察を遺しておく、ということがある」。本書は、まさにこの言葉を実践したものです。これは「失敗」の研究であるとともに、この国がたどってきた道程の記録でもあります。好むと好まざるとにかかわらず、未来はここから歩まなければならない。しかし、著者が言うように「本書が最も悲観的に見る部分にこそ希望があることも事実である」ことを、ぜひ多くのかたに感じていただきたい。その願いとともに、本書をお届けいたします。[本書の内容]第I章 与次郎第II章 戦前期(一八九五-一九四五年)第III章 戦後期(一九四五-七〇年)第IV章 ポスト戦後期I(一九七〇-九五年)第V章 ポスト戦後期II(一九九五-二〇二〇年)
この国の「知」の世界は、どんな状況にあり、どこに向かうのか?前著『クリティック再建のために』(講談社選書メチエ)で提示された図式を日本にあてはめたとき、どんな歴史が見えてくるのか?戦前期から戦後期、そして「ポスト戦後期」に区分し、この国が何に失敗したのか、その原因は何だったのかを鋭利な刃を手にして冷静に、しかし容赦なくたどっていく。本書は、著者自身も当事者である「失敗」の研究であり、これまでなされたことのない貴重な歴史の記録である。
もくじ情報:第1章 与次郎(与次郎の知的資質;この知的資質をもたらす要因;与次郎とクリティック;与次郎の射程―サンクロニクな平面);第2章 戦前期(一八九五‐一九四五年)(那美さんの夫;与次郎の先駆者 ほか);第3章 戦後期(一九四五‐七〇年)(戦後期の信用状況;一個の原点 ほか);第4章 ポスト戦後期1(一九七〇‐九五年)(PPWにおける信用の状況;大学の状況 ほか);第5章 ポスト戦後期2(一九九五‐二〇二〇年)(信用の状況;大学の状況 ほか)