内容紹介：「原爆の父」は、戦後、水爆開発に反対して公職を追放された。人類にとって科学とは何か。政治・社会・科学のあり方を問う〈解説〉松下竜一・池内　了
第二次世界大戦中、ロス・アラモス研究所所長として世界で初めて原爆を完成させ、「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマー。戦後、原子力委員会のメンバーとなるが、水爆開発に反対の立場を示し公職を追放された。原爆の父はなぜ水爆に反対したのか？天才物理学者が全存在をかけて政治・社会・科学のあり方を問う。
もくじ情報：原子力時代と科学者；核爆発；今日の問題としての原子力；とらわれぬ心；原子兵器とアメリカの政策；科学と現代；付録

オッペンハイマー，ロバート(オッペンハイマー，ロバート)
アメリカの理論物理学者。ハーバード、ケンブリッジ大学等に学び、カリフォルニア工科大学等の教授に就任。多数の研究者を育成した。第二次大戦中はロス・アラモス研究所所長として原爆を世界で初めて完成し、「原爆の父」と呼ばれる。戦後、原子力委員会の中心メンバーとなるが、アメリカの水爆開発に反対の立場をとったため、国家への忠誠を問われ、公職から追放された。のち政府はフェルミ賞を贈呈し、この措置を事実上撤回した