内容紹介：音が、演奏が、自然の音楽が、心揺さぶる――楽器の女王に魅せられた私たち。パイプオルガンに心を奪われた二人の十九歳の、挫折と成長を描いた圧巻の青春音楽小説。本格ミステリ大賞受賞『彼女が探偵でなければ』著者、渾身作。音大受験に失敗し、フルートの演奏に悩む陽菜。偉大なオルガン建造家を父に持つ孤独な朋子。十九歳の二人はパイプオルガン製作を通じて葛藤しながら、自らの道を模索する。陽菜が〈音〉を取り戻し、再受験と夢へ歩み始めた矢先、朋子にある試練が。― Pour T― 朋子は、工房に残されたヒントと〈記憶〉を頼りに、オルガン完成のために必要な〈怪物〉の声を聴きにいくが……。
音大受験に失敗し、フルートの演奏に悩む陽菜。偉大なオルガン建造家を父に持つ孤独な朋子。十九歳の二人はパイプオルガン製作を通じて葛藤しながら、自らの道を模索する。陽菜が〈音〉を取り戻し、再受験と夢へ歩み始めた矢先、朋子にある試練が。―Ｐｏｕｒ　Ｔ―朋子は、工房に残されたヒントと〈記憶〉を頼りに、オルガン完成のために必要な〈怪物〉の声を聴きにいくが…。

逸木　裕(イツキ　ユウ)
１９８０年東京都生まれ。学習院大学法学部卒。フリーランスのウェブエンジニア業の傍ら、小説を執筆。２０１６年『虹を待つ彼女』で第三十六回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。２２年「スケーターズ・ワルツ」で第七十五回日本推理作家協会賞〈短編部門〉を受賞。２５年『彼女が探偵でなければ』で第二十五回本格ミステリ大賞を受賞する（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）