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内容紹介・もくじなど
内容紹介:代数学の金字塔とも言われる「ガロア理論」である。ガロア理論は、大学・数学科の専門課程で学ぶ、素人にとって敷居の高い理論である。*方程式論の歴史は古く、高校数学でおなじみの2次方程式は、古代バビロニアの時代にはすでに解かれていた。3次方程式、4次方程式の解の公式の発見は16世紀まで待たなければならなかったが、n次方程式にはn個の複素数解があることが証明されるなど、方程式論は中世ヨーロッパで急速な発展を遂げた。しかし、多くの数学者の挑戦にもかかわらず、5次方程式の解の公式は誰ひとりとして発見することができなかった。そんな中で、アーベルとルフィニは5次以上の方程式には解の公式が存在しないこ…(続く)
内容紹介:代数学の金字塔とも言われる「ガロア理論」である。ガロア理論は、大学・数学科の専門課程で学ぶ、素人にとって敷居の高い理論である。*方程式論の歴史は古く、高校数学でおなじみの2次方程式は、古代バビロニアの時代にはすでに解かれていた。3次方程式、4次方程式の解の公式の発見は16世紀まで待たなければならなかったが、n次方程式にはn個の複素数解があることが証明されるなど、方程式論は中世ヨーロッパで急速な発展を遂げた。しかし、多くの数学者の挑戦にもかかわらず、5次方程式の解の公式は誰ひとりとして発見することができなかった。そんな中で、アーベルとルフィニは5次以上の方程式には解の公式が存在しないことを証明し、さらに若きフランスの天才数学者ガロアはn次方程式が根号を使って解ける条件を完全に明らかにした。この理論が近代代数学の金字塔とも呼べる「ガロア理論」である。この理論は、大学でも数学科の専門科目として扱われるため、難しいイメージがあるかもしれないが、あみだくじの集まりである「置換群」とその内部構造を紐解く「正規部分群」の考え方を取り入れれば、方程式の解の対称性に着目することで、高校生でも素朴に理解することができる。「ガロア理論」や「置換群」の考え方は、代数学にとどまらず、解析学、幾何学の諸理論に幅広く活用されている。読者には、本企画を通してガロアが遺した数学に触れ、数学の広がりと奥深さを感じ取ってもらいたい。本書の特長は、(1) わかりやすい予備知識を前提としない(文系の高校数学の知識で読める)(2) コンパクト周辺の諸概念・定理に深入りせず、新概念の導入は必要最小限である(3) 内容が完結している基礎から学べて、最後まで証明がしっかりと載っている(4) 演習問題が豊富自分で例を計算することで、諸概念・定理について理解を深められるであり、「ベクトル空間」など新しい概念の導入はできるだけ避ける、「群」は「置換群」とそれから派生するものだけを扱う、方程式が根号で解けるための必要条件のみを証明する、などの工夫により、この4つの特長を合わせもつ「ガロア理論」の解説書となった。
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