内容紹介：伝説の格闘家の生涯を追った名著『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』で大宅壮一賞＆新潮ドキュメント賞受賞。自伝的小説『七帝柔道記』『北海タイムス物語』で濃厚な世界を描き、小説ファンを魅了した著者が次に初めて挑戦するのは、自身も記者として取材経験もある警察の世界！殺人事件の解決だけでない、ここで描かれるのは、警察官の誇りであり、恋愛であり、老いであり、男女であり、そのすべてである。警察小説でありながら、その枠組みを軽々超えた圧巻のエンターテインメント小説！
灼熱の岡崎市の池で、ある高齢女性の遺体が引き上げられた。４７ヵ所もの刺創があり、その残忍な犯行に市民は戦慄する。刑事たちの地を這うような捜査の中で浮かび上がってきたのは、被害者の人生の光と闇だった―。東大を卒業し、大手局アナとして華々しい世界に身を置いていたが、亡くなる前は極貧生活を送っていたという。しかも、驚くことに、彼女は現役の風俗嬢だった。なぜ、彼女は殺されなければならなかったのか？愛知県警察本部のエース刑事湯口と岡崎署の変人刑事蜘蛛手が、時に衝突し、時に協力しながら、底なしの謎に挑む！

増田　俊也(マスダ　トシナリ)
１９６５年愛知県生まれ。２００６年『シャトゥーン　ヒグマの森』で「このミステリーがすごい！」大賞優秀賞を受賞しデビュー。２０１２年『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』で大宅壮一ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。現在、名古屋芸術大学芸術学部客員教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）