本書では、現代アメリカを代表する法哲学者のマーサ・ヌスバウムが、信教の自由をめぐるさまざまな判例を参照し、良心の自由と平等を守る「アメリカの伝統」の揺籃期から、それが合衆国憲法へと結実し現在へと至るまでの歴史を分析、アメリカが建国当初に持っていた宗教的自由、宗教的な平等を、リベラリズムの観点から力強く擁護する。
もくじ情報：第１章　序論　脅かされた伝統；第２章　共生―尊重のルーツ；第３章　平等を宣言する―新しい国家の宗教；第４章　便宜的措置をめぐる闘争；第５章　よそ者を恐れる；第６章　国教樹立禁止条項―学校における祈り、公的展示；第７章　教区学校に対する援助をめぐって―公正さを探究する；第８章　現代の議論―「忠誠の誓い」、進化論、想像力、同性婚、イスラーム教徒への恐怖；第９章　結論「重なりあう合意」に向けて？

ヌスバウム，マーサ(ヌスバウム，マーサ)
シカゴ大学法学部教授。１９４７年生まれ。ハーヴァード大学にて文学修士、哲学博士（Ｐｈ．Ｄ．）取得。１９８６～９３年世界開発経済研究所リサーチアドヴァイザー、ブラウン大学を経て、現職