日本の「育休世代」が仕事との両立でぶち当たる壁とは。「専業主婦前提社会」をキーワードに、ワークとライフを巡る現状打開策を探る。

長時間労働・転勤・直線的キャリア…終身雇用を前提とした日本の働き方の矛盾が、共働き世帯の急増により表出してきている。こうした働き方は同時に、家事育児を一手に担い、出産後退職すると正社員での復帰が難しい専業主婦の苦悩をも生み出してきた。本書では、こうした「共働きも専業も苦しい」理由を、主婦の無償労働を前提とする日本の循環構造から読みといていく。ギグ・エコノミーや多様化する働き方は、循環構造を変える契機になり得るのか。「東洋経済オンラインアワード２０１８」でジャーナリズム賞を受賞した好評連載に大幅加筆のうえ、書籍化。
もくじ情報：第１部　なぜ共働きも専業もしんどいのか（共働きがしんどい；専業主婦がしんどい；しんどさを生み出す循環構造）；第２部　主婦がいないと回らない構造（主婦に依存する日本の会社；専業でないとこなせない？日本の家事；子育て後進国・日本の実態）；第３部　変わる社会の兆し（変わる夫婦；変わる働き方；変わる人事制度；変わる家事；変わるべき保育・学校；変わる世界の中で）

中野　円佳(ナカノ　マドカ)
ジャーナリスト。東京大学大学院教育学研究科博士課程在籍。１９８４年、東京都生まれ。２００７年、東京大学教育学部卒、日本経済新聞社入社。金融機関を中心とする大企業の財務や経営、厚生労働政策などを担当。１４年、育休中に立命館大学大学院先端総合学術研究科に提出した修士論文を『「育休世代」のジレンマ』（光文社新書）として出版。１５年、新聞社を退社し、「東洋経済オンライン」「Ｙａｈｏｏ！ニュース個人」などで発信をはじめる。現在はシンガポール在住（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）