本書では、中国共産党一党支配を可能としている様々な政治制度に注目し、「改革開放」以来の中国政治の展開を、権威主義体制や政治制度に関する理論を踏まえながら論じていく。

中国共産党支配を支える制度はどのように形成され、持続、変化してきたのか？現代の中国政治を構成する具体的な制度の変化に焦点を当て、歴史的要因を重視しながらそれらを読み解くことで、現代中国政治の現状を理解し、将来を展望する一冊。
もくじ情報：現代中国政治研究と歴史的制度論；第１部　国家―包容と強制（民主的制度の包容機能―人代改革の起源と持続；現代中国の刑事司法制度と「厳打」―起源、経路依存、制度進化）；第２部　エリート政治（「集団領導制」の制度分析―権威主義体制、制度、時間；領導小組の制度変化―中国の政策決定における半公式制度の機能の重層化；中国の幹部選抜任用制度をめぐる政治）；第３部　中央・地方関係と経済（香港民主化問題の「時間の政治学（ポリティクス・イン・タイム）」―選挙制度形成の歴史と今後の見通し；中国経済の制度的背景―分散的権威主義体制下の自生的秩序）

加茂　具樹(カモ　トモキ)
慶應義塾大学総合政策学部客員教授。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了、博士（政策・メディア）