本篇はコタンの守護神であるシマフクロウの神謡、鳥の啼声による吉凶の占い、娘たちの優美なツルの舞、魔神を焼いた灰から生まれたという吸血虫発生の伝承など、伝説の巨鳥からアブ・カの類にもおよぶ鳥や昆虫たちとコタンの生活との深い結びつきを説く。オオワシ、クマタカ、クマゲラ、ハシブトガラス、タンチョウヅル、オオハクチョウ等約百三十種を収録。
もくじ情報：野鳥篇；水鳥篇；昆虫篇―爬虫類・両棲類・他を含む（混血虫；有毒虫；子供の仲間；釣餌虫；その他の虫たち）

更科　源蔵(サラシナ　ゲンゾウ)
１９０４年、北海道弟子屈町の開拓農家に生まれる。麻布獣医畜産学校に学ぶ。詩人・随筆家として、またアイヌ文化研究によって知られる。「アイヌの伝統音楽」約二千曲の録音・訳詞により、第１８回ＮＨＫ放送文化賞受賞。１９８５年９月２５年逝去