ソメイヨシノの誕生は＜革命＞だった！様々な語りを生みながら、日本の春をぬりかえたソメイヨシノ。語られた桜と現実の桜の往還から、「日本」と「自然」の姿に迫る。

一面を同じ色で彩っては、一斉に散っていくソメイヨシノ。近代の幕開けとともに日本の春を塗り替えていったこの人工的な桜は、どんな語りを生み出し、いかなる歴史を人々に読み込ませてきたのだろうか。現実の桜と語られた桜の間の往還関係を追いながら、そこからうかび上がってくる「日本」の姿、「自然」の形に迫る。
もくじ情報：１ソメイヨシノ革命（「桜の春」今昔；想像の桜／現実のサクラ）；２　起源への旅（九段と染井；ソメイヨシノの森へ；桜の帝国；逆転する時間）；３　創られる桜・創られる「日本」（拡散する記号；自然と人工の環）

佐藤　俊樹(サトウ　トシキ)
１９６３年広島生まれ。１９８９年東京大学社会学研究科博士課程退学。東京大学総合文化研究科助教授。専門は比較社会学、日本社会論（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）