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内容紹介・もくじなど
著者プロフィール
谷川 渥(タニガワ アツシ)
美学者、批評家。文学博士。東京大学大学院美学芸術学専攻博士課程修了。國學院大學文学部教授、杭州師範大学客座教授、京都精華大学客員教授などを歴任。日本近代芸術史の諸問題を踏まえながら、マニエリスム・バロックからモダニズム・現代美術にいたる広範な領域を視野に収め、多様な“美的表象”を渉猟、美学と批評を架橋する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 谷川 渥(タニガワ アツシ)
美学者、批評家。文学博士。東京大学大学院美学芸術学専攻博士課程修了。國學院大學文学部教授、杭州師範大学客座教授、京都精華大学客員教授などを歴任。日本近代芸術史の諸問題を踏まえながら、マニエリスム・バロックからモダニズム・現代美術にいたる広範な領域を視野に収め、多様な“美的表象”を渉猟、美学と批評を架橋する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) |
内と外という二元論を危うくする薔薇の花弁、腹からこぼれ出る腸の美しさ―皮膚や表層にこだわり続けてきた美学者である著者は、「内部へ出る」ことにより逆説的に肯定される表面にこそ、三島独自の美意識すなわちバロキスムが賭けられていると見る。内面と外面、精神と肉体、素顔と仮面、美しい無智者と醜い智者といった対比、そして薔薇のみならず作品を豊かに彩るさまざまな植物的イメージを自在に横断しながら、それらすべてが昭和45(1970)年11月25日の壮絶な自死へと…(続く)
内と外という二元論を危うくする薔薇の花弁、腹からこぼれ出る腸の美しさ―皮膚や表層にこだわり続けてきた美学者である著者は、「内部へ出る」ことにより逆説的に肯定される表面にこそ、三島独自の美意識すなわちバロキスムが賭けられていると見る。内面と外面、精神と肉体、素顔と仮面、美しい無智者と醜い智者といった対比、そして薔薇のみならず作品を豊かに彩るさまざまな植物的イメージを自在に横断しながら、それらすべてが昭和45(1970)年11月25日の壮絶な自死へと収束されていく過程を詳らかにたどる、スリリングかつ斬新な三島論。文庫書き下ろし!
もくじ情報:序 昭和四十五年十一月二十五日;1 映画『憂国』と音楽;2 外面と内面;3 ヘレニズム・バロック;4 薔薇狂い;5 薔薇のバロキスム;6 美しい無智者と醜い智者;7 肉体の論理とその逆説;8 「存在の劇」谷崎潤一郎VS三島由紀夫;9 死の太陽;10 三島由紀夫のフローラ;11 松へのこだわり;12 死の様式;13 「動態」としての文化とその座標軸;14 庭と海;結 「お祝いには赤い薔薇を」