秋田県横手地方に残った「若勢市」は江戸時代から昭和年代まで連綿と続いた奉公人市である。農業が全て手作業だった時代、厳しい農作業を支えたのは「若勢」たちの存在だった。「若勢」はいつどのようにして生まれ、どんな歴史をたどったのか。宮本常一に師事し、民俗学写真家として活躍する著者が、数少ない史資料を読み解き、長年の調査からその全体像を初めて明らかにする！
もくじ情報：秋田の若勢の記録；若勢市と若勢を語る；江戸時代の働きと休日；景気と若勢市と農村；紙芝居「縣南哀話」；農村再生のために；若勢市を調べ書く；庄内地方の若勢；『善治日誌』に見る若勢；若勢から戸主となる；各地の奉公人とその市

須藤　功(ストウ　イサオ)
昭和１３年（１９３８）秋田県横手市生まれ。民俗学写真家。民俗学者の宮本常一に師事し、各地の普段の生活を写真で記録するとともに、生活史の研究をつづける。日本地名研究所より第８回「風土研究賞」を受ける（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）